【風土記のはじまり】長崎で紡ぐ物語
こっそりと長崎県へ移住し、既に1か月が経ちました。
前職は、市役所職員だったこともあり、地域が素敵になる取り組みに興味がありました。一歩地域に出ると、自分の視野や人脈がどんどん広がりました。
社会人になるまで、自分の生まれ育った館山市は「田舎の狭い世界」だと思っていましたが、狭いのは私の視野や考え方だったのです。
町内会活動の支援、伝統工芸品の振興や起業支援など、楽しくてやりがいを感じていました。正直うまくいかないことの方が多かったけれど、市民の方とやり取りしていくうちに、自分の成長を感じたし、必要とされることが何よりも嬉しかったです。
知人が全くおらず、地理もまちづくりの様子も全くわからないまちで、「何をしよう?」と毎日燻っているところです。
地元では、「ちょっぴりまちのためになれていた」ような、気がしていたけれど、それは、そもそも活動をする環境を与えてもらっていたんだなと実感するとともに、自分の無力さを痛感しているのです。
要は、「市役所職員」という肩書が、私が関わる人へ、私の信頼感を与えてくれていたのです。肩書が消えて、気づきました。
そんな時、市役所職員になって2年目の秋に参加した、総務省主催の「地域づくり人財塾」という研修でお知り合いになった先生から、「その後どうですか?」とご連絡をいただきました。
何もできていない自分に嫌気がさし、1日返信が滞ってしまったが、素直に今の状態をお話ししました。
まちづくりでは、「よそ者」の視点が大事と良く言われますが、私は今、大村市にとってよそ者なんですよね。
以前、地域の「風土記」は、風の人(旅人)と土の人(地元住民)で物語が生まれると、先生が仰ったのを思い出しました。
急いで過去の手帳を開くと、しっかりとメモが残っていました。
この時は、私は地元で見ると「土の人」だけど、細かく考えると、市内でも私が馴染みのない地区や世代に対しては、新しい風を吹かせられる存在になれるのではないかと思いました。
長崎で「風の人」になれたら嬉しいです、と言うと、「風の人と土の人というテーマでブログを書いてみたら?」とご助言をいただきました。
ということで、ブログのタイトルも、「風土記」にしてみました。これから、長崎県を中心に、まちで見つけた「素敵なこと」を綴っていきたいと思います。
「長崎を離れる時には、出版するといいですよ」と仰った先生。「出版」なんて言葉も考えていなかったけど、自分の綴り続けた小さな物語が本になったら素敵だなと、俄然ワクワクしてきました。
そして、これから先が想像もつかず、不安を抱えていた数年先の未来に、現実味が帯びてきて、「今」を楽しみたいという気持ちが芽生えました。
ブログを書いたり、本を作る楽しみよりも、この「今を楽しもう」という気持ちが芽生えたことが本当に嬉しかったです。
引っ越し前後は、ホームシックで、ランニングと料理だけが心の支えでした。
~おまけ~
これは、26歳~27歳の頃のノートです。一番色んなことを吸い込んだ歳だったので、読み返すと面白くて、捨てられずに一緒に引っ越しました。surfaceに移行しつつあるけど、自分の気になったことを書き留めておく手帳は、まだまだ手書き派です。